米サイドストーリー

「ベイサイドストーリー」と読みます。枚方市の米屋「ことぶき米穀」の店長が、米屋の日常などを書きます。古い記事の場合、お米の価格が変わっている可能性があります。最新の価格は、ホームページでご確認ください。

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【こめ知識】精米(搗精)

【こめ知識】とは、豆よりも小さいお米のような、ちょっとしたお米の話です。

お米は、田んぼで育てます。
田んぼで成長した稲の先端に実るのがお米です。

この状態では食べられません。
いや、食べられますが、美味しくありません。

稲についている状態は、籾(もみ)というもので、殻がついています。
この殻を剥いたものを玄米といいます。
剥いた殻を籾殻(もみがら)といいます。

なにを当たり前のことを書いているんだと思う方もたくさんおられるでしょう。
しかし、意外とこのへんが曖昧な方が多いんです。

殻を剥いた玄米はまだ、食べにくいです。
玄米で食べられる方もおられますが、それは割愛。
玄米を削って、中身の白い部分を出した状態、これを白米といいます。

この状態で、ようやく売られている精白米の状態になります。
玄米から白米にする作業を「精米」または「搗精(とうせい)」といいます。

玄米を100%とすると、白米は約90%の状態になるまで削ります。
削ったカスを「糠(ぬか)」といいます。
約1割削るので、普通精米のことを「一割搗き」といいます。

玄米で購入し、精米するとお米が減るのはこのためです。

ちなみに、五分搗きや、七分搗きというのは、5%や7%削るということです。
だから、五分搗きや、七分搗きは、減る率が少ないのです。

もし、10kgの玄米を七分搗きにしてもらって買った場合、上りが9kgしか入っていなかったら、なにかがおかしいです。

ここで、精米について詳しいことまで書きません。
私は学者じゃないので、そこまで詳しいことも知りません。
消費者も知っていて損はしないということだけ書きます。

まず、玄米の状態は栄養が豊富で、旨味もあります。
しかし、固すぎて食感が悪いので、精米した方が、消化も良いですし、味も良くなります。

ということは、白米は、栄養と旨味を削っているのか。
はい、削っています。

削り取った糠にはたくさんの栄養が入っています。
旨味も、糠と白米の間にたくさんあり、精米度を上げてしまうと、旨味を削ってしまうことになります。

なら、あまり削らない「分搗き」がよいのではということになりますが、分搗きはあまり日持ちしません。
1か月くらいなら問題ありませんが、長く置くならよくないでしょう。

また、炊いた後の保温にも向いていません。
変色がしやすいです。

つまり、玄米も、白米も、分搗きも、どれもメリット・デメリットがあるということです。
自分はどれが一番合うんだろうかということは、ぜひお近くのお米屋さんなどに相談してみてください。

  by ことぶき米穀 店長

前沢牛の堆肥を使い、天日で乾燥させたひとめぼれ「天日つや御膳」
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| こめ知識 | 11:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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【こめ知識】平成24年産米の高騰

以前、長々と「平成23年産米の高騰」という記事を連載しました。
かなり寄り道しながら、米の異様な値上がりの仕方について詳しく書いたつもりです。

そして、今は平成24年産米がほぼ出そろいました。
どうなったかというと、さらに上がりました。

もう長々と連載するのはしんどいし、読みたくもないでしょうから、今回は1回でまとめます。
まとまりますでしょうか。
こんなこと書いてるから長くなるんです。

なぜ書く気になったかというと、ブログにあるコメントが付きました。
しかし、いっぱんに表示されず、連絡先も書いていない書き込み。
お応えしようにも、一般に公開されていないコメントに返事するのもおかしいし、非表示にしたら私にしか見えません。
というわけで、ブログで書いちゃおうと。

東北の方の書き込みですが、書かれていた内容は、ようやくすると、東北の米が高いと。
東北は人気がないはずなのに、高いのは、東北でしか売れなくなったので、東北で高くさばこうとしているのではないか。
先物取引の影響はないのか。

という内容でした。
噛み砕いて書いたら、原文より長くなっちゃいましたが。。

お答えしましょう。(やっと本題)
高いのは東北だけではありません。
ほぼ全ての産地で値上がりしています。
上がり幅に差はありますが、東北は上がり幅だけで見ると、大きい方です。

なぜ上がったのかを詳しく書くとしんどいので、1行目のリンクから飛んで見てください。
すごく簡単に書くと、原発事故と、震災の影響で、米の産地の人気に隔たりが出てしまったためです。
最初は、原発事故が起こる前の米に人気が。
次に、福島原発から少しでも離れた場所に人気が。
そして、品薄感が出てきて、抱え込み。

原発事故以来、2回収穫期を越えました。
お米は十分に収穫されています。
日本人が食べきれないほど収穫できています。

なのに、まだ品薄感があります。

一つの原因は、農家が農協に米を出さなくなったから。
農協は対策として、農家からの買い上げ金額を値上げして、農協に出してもらおうとしました。
農協以外の業者も、当然値上げして、お米を仕入れようとします。
こうして、相場が一気に上がりました。
これが今年の新米、平成24年産米高騰の原因の一つです。

結果として、農協にたくさんお米が集まるようになったはずもなく。

誰かが損をして、誰かが得をするのが経済の原理ですが、損をしているのは値上がり分をそのまま上乗せできない我々小売業、そしてなにより消費者です。
お米がいっぱいあるのに高騰するんですから。

そして、東北米がなぜ上がっているのか。
23年産は確かに人気が薄く、価格も安かったです。
しかし、全体的に品薄感があった昨年(今年の夏まで)は、安い価格に人気が集まったというところです。
農協系統の米を仕入れている業者は、競って産地に問合せて泣きついてでも、米を売ってくれと言ったとか。

つまり、23年産の東北米は、価格は安かったけど、結果としてそれが人気の原因となり、難なく売り切れたということです。
そして、24年産、日本全国の農協が農家からの買い上げ金を値上げするという情報が出回り、米の相場が上がると言う見込みが強くなり、昨年難なく売れた東北は強気な値上げを行ったのです。

しかし、強気な値上げといっても、忘れてはいけないのは、23年産は安かったという事実。
元が安かったので、値上げしたとしても、他の産地よりもまだ安い場合もある(多い)です。

東北の方は、すごく高くなったと思うかもしれませんが、全国的にみると、西日本の方がもっと高いんです。

あと、先物取引について、私はめちゃめちゃ詳しいわけではありませんが、それでも書くと長くなるので、結論だけ書きます。
先物取引は、米相場を左右するほどの影響は今のところないです。

かなり端折って書いたのに、こんなに長くなってしまった。。
とりあえず、高騰についてはこんなとこにします。
ご質問などありましたら、コメントに書かれるか、フォームからメールを出してください。

  by ことぶき米穀 店長

コシヒカリの約1.5倍の大きさ!日本一のお米「龍の瞳」

| こめ知識 | 17:24 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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【こめ知識】平成23年産米の高騰 壱拾の巻

平成23年産米の高騰 九の巻」の続き。
最初から読む場合はコチラ

前回、農家が直接販売したらどうなるかという話に脱線したまま、本筋に戻ることなく終わってしまいました。
すみません。

農協に集まらないお米も、ちゃんと販売されているのになぜ足りないかという話です。

この話も前に書いていますが、農協に集まったお米の価格が相場になるからなのです。
どういうことかというと、農協に集まったお米が少ないと、このルートで流通するお米が高騰し、奪い合うことになります。
農協に集まらなかったお米も、農家が直接消費者に販売するお米以外は、上がった相場に合わせて高値で取引されます。(もちろん、下がった時も同様です)

全体的にお米が足りているのに、農協に集まったお米の数で相場が変わるということに問題があるということです。
こう書くと、農協が悪者のような印象を受けますが、決してそうでもなく、ある意味仕方のないことなのです。

詳しく書くと、とんでもなく長くなるので割愛しますが、農業行政に問題があると覚えておいてください。


では、お盆を前に、この連載の締めをしてしまいましょう。
これまでは、なぜ高騰するかということを書いてきましたが、最後に、高騰してどうなったか、この先どうなるかを書きます。

23年産が高騰しても、当初は消費者まで伝わりませんでした。
報道されなかったということもありますが、小売価格がなかなか原価の高騰を転嫁しなかったためです。
長く続く不況の中、小売価格を値上げするということは容易ではありません。
どの小売店もギリギリまで耐えました。正確に言うと、各店が負担しました。

しかし、利益率がもともと少ない激安商品などは当然のように店頭から消えていきました。
それでも報道されないので、消費者は高騰していることに気づきません。

お米はほとんど飲食店でも使用されます。
不況の中、ギリギリまで低価格に抑えた納入価格も、高騰に耐えられるはずがありません。
納入業者が値上げを要求、飲食店が拒否、というやり取りが日本中に起こりました。
当然、値上げは仕方ないと納得する飲食店がほとんどですが、最後まで納得せず、他の業者から買うと言ってケンカしたあげく、他の業者でも折り合いがつかず、お米が買えなくなるという飲食店の話もよく聞きました。

「安ければ福島産でもいいよ」「安ければ中国産でもいいよ」
これもかなり聞いた話です。
人気薄だったはずの福島産も全然足りなくなりましたし、中国産もあっという間に高騰しました。
(ということは、表示はしていなくても、使用している飲食店もかなりあるということです)

ここまで高騰すると、中国産に対して拒否反応があった飲食店や業者も、積極的に使い始め、これも足りなくなりました。
そして、もっと輸入を増やしてくれという声も出てきます。

農家に納得してもらう価格を提示した農協は、実は輸入米を増やす結果をまねく危険性もあるのです。
そして、今でも問題になっていて、話が進んでいないTPPの参加を反対する声を減らす結果にもなります。
(高騰は、TPP反対を減らすための政府の陰謀だという噂もあります)

これまで何度も米の価格高騰はありました。
いわゆる、平成5年の米パニック。(私は学生だったので聞いた話ですが)
当時も高騰も、半年ほどで終わり、すぐに国内産が出回りました。
数年前にも高騰がありましたが、これも半年ほどでした。

今回は、すでに1年半ほど続いています。
異常事態です。

農協の方からよく聞くのは「米価が上がり過ぎると、消費が冷えるのでよくない」ということです。
このまま高値が続くと、パンなどの小麦製品に消費者が流れていく恐れがあります。
一刻も早く、適正な価格に戻ってほしいと思うのですが、すでに平成24年産は、さらに高騰しています。

24年産の高騰は、23年産の高騰の流れとまったく同じなので、ここで連載は終わろうと思います。
ただ、24年産のうちに必ず価格は下落するとみられています。
はたして、それがいつの話か。

この連載は終わっても、なにかのタイミングで書こうと思います。
長らくお付き合いありがとうございました。
ご意見、ご感想をお待ちしております。

 完

  by ことぶき米穀 店長

前沢牛の堆肥を使い、天日で乾燥させたひとめぼれ「天日つや御膳」

| こめ知識 | 19:08 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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【こめ知識】平成23年産米の高騰 九の巻

平成23年産米の高騰 八の巻」の続き。
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もう新米が出ちゃいました。
予想通り、23年産よりも高騰しています。
この連載はエンドレスで続いてしまいそうなので、どこかで終わらせなければ。。

では、続きです。
前回は、卸間売買について書きました。
ここが高騰の原因の本命だと私は思っています。

前にも書きましたが、23年産は決して不作ではありませんでした。
日本人は、日本で作られたお米を1年で食べきることができません。
つまり、普通に作れば余ってくるのです。

ということは、物が足りないから高騰したけど、実際には余るほど収穫されたので、足りないはずはない。ということになります。

この矛盾はどういうことか。

農協に集まらないから、米が足りない。
集まらなかった米はどこい行くのか。

農家が直接売るんです。
売り先は、業者か、消費者か、農家か。

あれ?じゃあ、流通するからお米はあるじゃないか。という疑問。

ここからは、業界内でまことしやかにささやかれる噂を書きます。
・農家が、お米が高騰しているので、出し惜しみして、もっと高騰するまで持っている。
・小売店で高騰し始めたので、安く買いたい消費者が農家に殺到。消費者には値上げしにくい農家が安値で販売。

統計に出てこないので、あくまで噂です。
しかし、私もそう思います。
農家が消費者などに直結で販売するので、流通量が減り、価格が高騰するという、いびつな結果になります。

中間業者が入らないから消費者にとってはいいことじゃないかと思われるでしょうが、必ずしもそうではありません。
六の巻で書いたような、米価を下げて農業を圧迫する傾向になるほか、以下のようなことも起こります。

農家が直接販売すると、米屋がいらなくなり、スーパーで米がなくなります。
消費者は、看板を立てたり、チラシを配ったりするわけじゃない農家を探して米を買いに行かなくてはならなくなります。
1軒の農家が作っている量を販売しきってしまえば、完売となり、翌秋まで閉店。
また違う農家を差探さなければいけなくなります。
しかも、地元の米しか食べられなくなります。
ネットで買えばいいじゃないかと思うかもしれませんが、検索してヒットするのは人気が集中するので、すぐに完売します。

今でもありますが、人気のある農家は、すぐに売り切れてしまうので、お米を業者や、近所の農家から仕入れます。
他県のお米を業者から仕入れることもザラにあります。

どういうことかわかりますか?
農家の看板をかけた、ただの米屋なのです。

農家を紹介する斡旋業者が出てきたとしても、それも米屋と変わりません。
米を遠方から送るには、安くない送料と、支払手数料がかかります。

米屋も同じだろうと思うでしょうが、流通というのはそこがよくできているのです。
大量に物を運ぶことで、コストを大幅に下げることができます。
しかも、定期的に決まった量を運ぶことで、計画的に、安定的に流通させることができるようになるのです。

農家が直接販売しても全然かまわないのですが、だから流通がいらないという考え方は危険だと思うのです。

つづく

  by ことぶき米穀 店長

コシヒカリの約1.5倍の大きさ!日本一のお米「龍の瞳」

| こめ知識 | 18:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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【こめ知識】平成23年産米の高騰 八の巻

平成23年産米の高騰 七の巻」の続き。
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平成23年産の高騰について書いているうちに24年産が出てきそうです。
そして、24年産はさらに高くなります。
タイトルも変えなくてならなくなりそうですね。

まだ23年産の話が終わってないので、前回の続きを書きます。

農協が農家から買い上げる価格を高くしたのが、高騰の第1弾でした。
しかし、この連載の最初の方にも書きましたが、その時点ではまだ平年並みに戻ったというくらいです。
このお米は農協を通じて出荷されていくお米で、このお米は実は秋に平年並みの価格で出荷された価格と、現在の価格とあまり違いはありません。
ほんの少し値上がりした県がありましたが、実はほとんど高騰していないのです。

では、こんなに長い連載でお米が高騰していると大騒ぎしているのは、なにを指しているのか。

米の流通に出てくるお米というのは、数種類あります。
農協→米卸→米屋やスーパー という流れ。(かなり簡略化して書いています)
民間集荷業者→米卸→米屋やスーパー この二つが基本です。

米卸という部分。
ここが非常にややこしい部分です。
米卸は、大きい小さいがあり、それぞれに結びつきの強い産地、弱い産地があります。
しかし、どの卸も、なるべくいろんな産地のお米を取り扱いたいので、米卸同士で取引します。
これを卸間売買といいます。

卸間売買を行うことで、自社で足りないお米を調達したり、余ったお米を処分したりで、米卸会社にとってはリスクを減らすことができるようになります。
これがかなり前から主流になっていきました。

この結果、なにが起こったかというと、大きな米卸ほど、産地との結びつきが強くなっていき、契約数量が増えていき、実績が残るようになっていきました。
逆に小さな卸は、卸間で仕入れることで、産地との結びつき、実績が薄くなっていったのです。

どことは書きませんが、大きな卸会社数社で、米の流通を左右するようになっていったのです。
平年時はこれで問題ありません。

しかし、米価が最低から、高騰へ反発した時に問題が起こります。
前回書いたように、農協に米が集まりません。
米が流通に出てこないなら、今契約しているお米を簡単に手放せないという状況になります。

これまで卸間売買で流通していたお米が、どんどん減っていきます。
仕入れることができないようになってしまった小さな米卸は、高値でもいいから売ってくれということになります。

これが、高騰の第2段階です。
もちろん、卸間売買だけでなく、卸が米屋に売る場合も、民間の集荷業者が卸に売る場合も、高値でもいいから売ってくれ状態になります。

お米が高騰したのは、この部分が大きいのです。


つづく

  by ことぶき米穀 店長

低たんぱく米 石川県産「春陽」 玄米1kg 560円。

| こめ知識 | 23:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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