【産地訪問】岩手県奥州市前沢【牛の博物館や田んぼアート】
今年の産地訪問はこれでひとまず終わりです。
最後は岩手県奥州市前沢区です。
天日干し・特別栽培米の「天日つや御膳」の産地です。
飛行機で花巻空港につき、農協の方の案内で、さっそく田んぼへ。

すでの穂が垂れ下がり、収穫前という感じです。
粒も丸く育ち、良質米が獲れるのではないかと思います。
今年は関東から東北にかけて水不足が続いており、ここでも深刻な水不足なのだそうです。
田んぼへの水はなんとか大丈夫だったようですが、生活用水の心配が続いているのだとか。
巨大な胆沢ダムがもうすぐ稼働を始めますが、稼働して、水を十分のためればこのような心配も減るのでしょうか。
もう10年以上、この前沢地区のお米を取り扱っていますが、品質は安定しています。
しかし、温暖化の影響は深刻で、高温障害がいつ出るかわからないくらいだそうです。
岩手県でも連日30度を越しているというのは驚きでした。
また、温暖な地方に生息していた「カメムシ」がどんどん北上しています。
カメムシというのは、お米の着色の原因を作っている害虫なのです。
これだけ毎年あちこちの産地へ行っているのに、実はカメムシを産地で見たことがありませんでした。
だから、私は勝手な想像で、大阪でも見る、ものすごい臭いニオイを発するカクカクした形の虫だと思っていました。
とても恥ずかしい話なのですが、全然違ったんです。

標本を見せてもらいました。
ものすごく小さいです。
これが、お米の黒い斑点を付けている元凶です。
いつも、熊本に行っただの、山口に行っただの書いていますが、
「田んぼなんでどこでも同じようなものだから、近所で写真を撮っているんじゃないか」
と思われるかもしれません。
そういう方に、証拠写真です。

今では前沢区ですが、少し前までは岩手県胆沢郡前沢町でした。
合併があり、奥州市が政令指定都市となり、「町」が「市」を通り越して「区」になったということです。

この方は去年もお会いした及川さんです。
特別栽培米で、天日干しのひとめぼれを作っており、この方の田んぼは「指標田」として農協がデータをとる田んぼなのです。
だから、看板を立て、栽培履歴が見えるようになっています。
及川さんは前沢牛の肥育もされており、お米の肥料は前沢牛の堆肥で、育ったお米の稲わらを前沢牛が食べています。
こうやって、化学肥料の使用量を極力減らして栽培されています。
そうこうしている間に、お昼になりました。
お楽しみの昼食です。

前沢に来たので、もちろん前沢牛を。
ここにみそ汁とご飯がきました。

肉のアップ。
霜ふりふりです。
焼いたお肉がこれ。

うまー
ご飯はもちろん前沢の「ひとめぼれ」。
うまー

こちらは、ローストビーフ。
生肉を出せなくなったので、ほんの少し火を通してあります。
こんなに肉の味を全面に押し出したローストビーフは初めて食べました。
昼食後は、農協の1室を借りて、少し意見交換会。

今年の生育状況や、来年に向けての取り組みなどの説明を受けました。
また、福島原発の放射能についての検査についても。
国の定めた基準値が昨年までの500ベクレルから、100ベクレルに変わりました。
農協では、高額で、詳細な測定ができる測定器を購入し、念には念を重ねた検査をします。
ゼロではないのか、と思われるかもしれませんが、東北どころかどこの農作物を測ってもゼロなどという数値は出ません。
普通に自然界に放射能というのは存在しますので。
というわけで、今年はさらに安全なものを、安心して食べていただけるような体制が整っています。
毎年、前沢に来ていますが、いつも時間が無くてスルーしていた「牛の博物館」へ行きました。

前沢牛の歴史や、前沢から出土されたクジラの骨(の復元)や、牛自体の歴史など、いろいろ見ごたえがありました。

特に、前沢牛は、前沢のお米を天日で干したものの稲わらをエサとして育ち、その牛から出る牛糞を堆肥にして、田んぼに入れ、お米を育てるという完全循環型農業であるという展示もありました。

博物館の2階に展望窓があり、そこからの景色です。
中央に丸くなっている土地の周りを沿うように川が流れているのが北上川。
このようにうねった形になっているので、昔は頻繁に氾濫したのだそうです。
ただ、川が氾濫する土地というのは肥沃で、良質米が獲れるというのはコメの業界では常識になっています。
次は、田んぼアートへ。

これ、全部、稲で描いてあります。
田植えの時に、数種類の古代米を、絵になるように植え、葉や穂の色で完成するという、これが田んぼアートです。
ちなみに上の田んぼがこの絵を描いたもの。

「じゅんきくん」という岩手県のお米のキャラクターです。
下の田んぼがこれ。

これは、この地方で2月に厄男たちが豊作と安全を祈って、大俵を雪の中らひっぱるという行儀を描いたものです。
写真はどこから撮ったんだと思う方、目の付け所がシャープですね。
田んぼのすぐ横に、古戦場の櫓を復元したものがあり、そこから撮ったんです。
書くと長くなるので割愛しますが、この櫓がちょうど田んぼアートを綺麗にみられるようにしてくれています。
空港へ送ってもらう途中、もう稲刈りを終えて、棒掛け天日干しをされている田んぼがありました。

まだ干した直後という感じです。
ここは前沢でく、水沢という地区ですが、ここらでは昔から、この方法で天日干しを行います。
ちなみに、これを「ほにお」と呼びます。
書くことがありすぎて、かなり駆け足で書いてきましたが、最後に空港で食べた「十割そば」

そんなこんなで、バタバタ産地訪問終わりです。
by ことぶき米穀 店長
前沢牛の堆肥を使い、天日で乾燥させたひとめぼれ「天日つや御膳」
最後は岩手県奥州市前沢区です。
天日干し・特別栽培米の「天日つや御膳」の産地です。
飛行機で花巻空港につき、農協の方の案内で、さっそく田んぼへ。

すでの穂が垂れ下がり、収穫前という感じです。
粒も丸く育ち、良質米が獲れるのではないかと思います。
今年は関東から東北にかけて水不足が続いており、ここでも深刻な水不足なのだそうです。
田んぼへの水はなんとか大丈夫だったようですが、生活用水の心配が続いているのだとか。
巨大な胆沢ダムがもうすぐ稼働を始めますが、稼働して、水を十分のためればこのような心配も減るのでしょうか。
もう10年以上、この前沢地区のお米を取り扱っていますが、品質は安定しています。
しかし、温暖化の影響は深刻で、高温障害がいつ出るかわからないくらいだそうです。
岩手県でも連日30度を越しているというのは驚きでした。
また、温暖な地方に生息していた「カメムシ」がどんどん北上しています。
カメムシというのは、お米の着色の原因を作っている害虫なのです。
これだけ毎年あちこちの産地へ行っているのに、実はカメムシを産地で見たことがありませんでした。
だから、私は勝手な想像で、大阪でも見る、ものすごい臭いニオイを発するカクカクした形の虫だと思っていました。
とても恥ずかしい話なのですが、全然違ったんです。

標本を見せてもらいました。
ものすごく小さいです。
これが、お米の黒い斑点を付けている元凶です。
いつも、熊本に行っただの、山口に行っただの書いていますが、
「田んぼなんでどこでも同じようなものだから、近所で写真を撮っているんじゃないか」
と思われるかもしれません。
そういう方に、証拠写真です。

今では前沢区ですが、少し前までは岩手県胆沢郡前沢町でした。
合併があり、奥州市が政令指定都市となり、「町」が「市」を通り越して「区」になったということです。

この方は去年もお会いした及川さんです。
特別栽培米で、天日干しのひとめぼれを作っており、この方の田んぼは「指標田」として農協がデータをとる田んぼなのです。
だから、看板を立て、栽培履歴が見えるようになっています。
及川さんは前沢牛の肥育もされており、お米の肥料は前沢牛の堆肥で、育ったお米の稲わらを前沢牛が食べています。
こうやって、化学肥料の使用量を極力減らして栽培されています。
そうこうしている間に、お昼になりました。
お楽しみの昼食です。

前沢に来たので、もちろん前沢牛を。
ここにみそ汁とご飯がきました。

肉のアップ。
霜ふりふりです。
焼いたお肉がこれ。

うまー
ご飯はもちろん前沢の「ひとめぼれ」。
うまー

こちらは、ローストビーフ。
生肉を出せなくなったので、ほんの少し火を通してあります。
こんなに肉の味を全面に押し出したローストビーフは初めて食べました。
昼食後は、農協の1室を借りて、少し意見交換会。

今年の生育状況や、来年に向けての取り組みなどの説明を受けました。
また、福島原発の放射能についての検査についても。
国の定めた基準値が昨年までの500ベクレルから、100ベクレルに変わりました。
農協では、高額で、詳細な測定ができる測定器を購入し、念には念を重ねた検査をします。
ゼロではないのか、と思われるかもしれませんが、東北どころかどこの農作物を測ってもゼロなどという数値は出ません。
普通に自然界に放射能というのは存在しますので。
というわけで、今年はさらに安全なものを、安心して食べていただけるような体制が整っています。
毎年、前沢に来ていますが、いつも時間が無くてスルーしていた「牛の博物館」へ行きました。

前沢牛の歴史や、前沢から出土されたクジラの骨(の復元)や、牛自体の歴史など、いろいろ見ごたえがありました。

特に、前沢牛は、前沢のお米を天日で干したものの稲わらをエサとして育ち、その牛から出る牛糞を堆肥にして、田んぼに入れ、お米を育てるという完全循環型農業であるという展示もありました。

博物館の2階に展望窓があり、そこからの景色です。
中央に丸くなっている土地の周りを沿うように川が流れているのが北上川。
このようにうねった形になっているので、昔は頻繁に氾濫したのだそうです。
ただ、川が氾濫する土地というのは肥沃で、良質米が獲れるというのはコメの業界では常識になっています。
次は、田んぼアートへ。

これ、全部、稲で描いてあります。
田植えの時に、数種類の古代米を、絵になるように植え、葉や穂の色で完成するという、これが田んぼアートです。
ちなみに上の田んぼがこの絵を描いたもの。

「じゅんきくん」という岩手県のお米のキャラクターです。
下の田んぼがこれ。

これは、この地方で2月に厄男たちが豊作と安全を祈って、大俵を雪の中らひっぱるという行儀を描いたものです。
写真はどこから撮ったんだと思う方、目の付け所がシャープですね。
田んぼのすぐ横に、古戦場の櫓を復元したものがあり、そこから撮ったんです。
書くと長くなるので割愛しますが、この櫓がちょうど田んぼアートを綺麗にみられるようにしてくれています。
空港へ送ってもらう途中、もう稲刈りを終えて、棒掛け天日干しをされている田んぼがありました。

まだ干した直後という感じです。
ここは前沢でく、水沢という地区ですが、ここらでは昔から、この方法で天日干しを行います。
ちなみに、これを「ほにお」と呼びます。
書くことがありすぎて、かなり駆け足で書いてきましたが、最後に空港で食べた「十割そば」

そんなこんなで、バタバタ産地訪問終わりです。
by ことぶき米穀 店長
前沢牛の堆肥を使い、天日で乾燥させたひとめぼれ「天日つや御膳」
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